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体験レポート「エニアグラム×パワハラ対策セミナー」

体験レポート「エニアグラム×パワハラ対策セミナー」

様々なハラスメントが認知されるようになってきましたが、その中で最も相談件数が多いのがパワー・ハラスメント(パワハラ)。特に明確に線を引きにくいグレーゾーンの内容が増えており、多くの企業が対策に苦慮している現実があります。そのような企業がどのように対策すべきかについて紹介したセミナーの体験した当事務所のスタッフが感想をレポートいたします。

1)自分と他人の見えているものが違うことを認識しよう

「ハラスメント」とは、言動や行動によって、相手に不快な思いをさせたり、脅したり、人間としての尊厳を傷つけたりすることです。
関係性の影響は大きく、自分は悪意をもっていなくても、相手は不快な思いをしているかもしれません。
そこで、まず、自分と他人とは見えているものが違う可能性があると認識することが大事になってきます。

大島氏のセミナーでは、絵を見て「何に見えますか?」という実験を行います。
とても面白くて、同じ絵を見ても、人によって「テーブル」に見えたり、「2人の顔」に見えたりするので、不思議です。
大島氏いわく、ハラスメントセミナーは難しい、硬い内容が多いとのことで、こうした直感的なワークを大切にされているそうです。

また、皆さまは大半(たいはん)・だいたいはどのくらいをイメージしますか?
日本では、9割以上のひともいるし、5割以下のひともいるそうです。
それが、中国では、大半は9割と決まっています。
日本語のコミュニケーションは、曖昧をむしろ良しとしていて、曖昧が一番優れているという要素があるのです。

現在は、EQ(心の知能指数)が重要視される時代になっています。
働く人の心の状態が、企業の業績にも大きく関係しますので、組織の中では、意識してコミュニケーションをとることが重要です。


2)パワーハラスメントとは?

次に、村井よりパワーハラスメントについての説明がありました。

職場のパワーハラスメントの定義とは、同じ職場で働く者に対して、次の行為をいいます。
① 職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に
② 業務の適正な範囲を超えて
③ 精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為

パワハラであるといえるためには、①~③の要素すべてを満たす必要があり、いずれか一つでも欠けていればパワハラにあたりません。
①の優位性とは立場の上下だけではなく、数や知識・経験の差のことも指します。
部下のほうが人数が多く、上司一人を無視している場合などは、部下のほうが優位性があると言えます。

そして、厚生労働省では、パワハラの代表的な6類型を示しています。ここに該当しないものが認められないわけではなく、個別具体的な事例をもって判定されます。
① 身体的な攻撃(暴行・傷害)
② 精神的な攻撃(脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言)
③ 人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)
④ 過大な要求
⑤ 過小な要求
⑥ 個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)

業務の適正な範囲の判断が難しく、グレーゾーンが生じやすいところです。
グレーゾーンが生じやすいところとしては、
・関係性によってそのように受け取られるもの
・個人の事情に意図せず踏み込んでしまうもの
・累積でパワハラとみなされるになるもの
などがあり、パワハラ相談事例でも、グレーゾーンのものについては個別具体的な判断が非常に重要になっています。


3)パワハラはなぜ起こるのか?

では、関係性がこじれないように、どのように対策したらいいのでしょうか?

大島氏によればパワハラを引き起こす上司のタイプにより対策は異なります。ストレスが溜まってしまって、余裕がない状態はパワハラを引き起こしやすくなるとのこと。
例えば、自尊心が不安定に高い、感情知能が低いといった個人的要因や、要求度やプレッシャーの高い職場であったり役割葛藤、役割の曖昧さがあるなどの構造的な要因があります。

ノルマが厳しかったり、残業が多い環境では、パワハラが起こりやすくなります。


4)エニアグラムをハラスメント対策にどう活用していくか?

エニアグラムとは、人間の思考や行動パターンといった行動特性を9つのタイプに分類する性格診断です。
9つのタイプを決めるのは「情動」(激しい感情)で、次の9つのタイプに分けられます。

タイプ ニックネーム タイプの特徴
タイプ① 改革する人
理想が高くまじめに努力する ・正しく間違いのないようにしたい
タイプ② 人を助ける人
親切でフレンドリー、対人関係を重視する ・人の役に立つことで必要とされたい
タイプ③ 達成する人
目標を持ち、効率よくやりたい ・成果を出すことで人から認められたい
タイプ④ 個性的な人
感受性が豊かで、独特の個性を大切にする ・自分らしくあることで豊かな気持ちを味わいたい
タイプ⑤ 調べる人
冷静で知的、洞察力に優れている ・情報を分析し、ものごとの本質を見極めたい
タイプ⑥ 忠実な人
信頼関係を大切にし、責任を果たす ・仲間と認められ、安心したい
タイプ⑦ 熱中する人
たくさんのことに興味を持ち、快活に行動する ・人生を楽しみ、幸せな気分でいたい
タイプ⑧ 挑戦する人
パワフルで存在感があり、信念がある ・自分の力を示すことで、周りに影響力を及ぼしたい
タイプ⑨ 平和をもたらす人
落ち着いてゆったりとし、物事を受容する ・周囲と一体感を保ち、平穏でいたい

セミナーでは絵を描くセルフワークを行いました。
「自分の性格・特徴を文具にすると何が思い浮かびますか?」
「そのときにどんなことをイメージしましたか?」
「それは自分のどんな特徴を表していますか?」

そして、9つのタイプ別に「怒りやストレスを感じるとき」が異なること、鉛の法則という「タイプ別の言われたくないこと」があることを教えてくださいました。

職場の人たちがどのタイプかを知ることで、自分とは違う怒りやストレスを感じるときを理解することは、円滑なコミュニケーションを築くのに、非常に有効です。
また、鉛の法則の「タイプ別の言われたくないこと」は、誰に対しても言わないことが大切だと思います。


5)パワハラが起こったときの実務対策

パワハラが起こったときの実務対策としては、相談・ヒアリング・処遇決定があります。
中小企業の場合、相談窓口が決まっていなかったり、社長が窓口だったりして、実質、機能していないことがよくあります。
まずは、担当者を決めることが大事です。

相談は電話、メール、投書箱などの方法があります。
担当者が何をしたらいいか分からない。という職場も多いですが、あらかじめ把握しておくことで安心して対応できます。
相談においては、次のようなことが大切です。
・傾聴はするが、過度な共感はしない
・事実を把握する
・内容・期間・頻度・類似の事例の有無
複数回になってくるとパワハラと判断される確率が高まります。

また、ハラスメント対策に取り組んでいる企業のほうが、ハラスメント被害が少ないので、ハラスメントについて学ぶことが、対策につながります。
再発防止策の立案としては、
「何がパワハラにあたるのか」
「どこからがパワハラなのか」
管理職だけではなく、全社員で目線合わせをし、共通の認識を持つことが重要です。
その際に、事例の活用や研修の活用をすることが効果があります。

また、個別に配慮できるかどうか?が重要になってきますので、エニアグラムを活用して、自己の理解と他者へのコーチングアプローチができると、ハラスメント対策だけでなく、業績向上にも繋がります。

相性や関係性は、なかなか難しいところがありますが、自分の考え方や感じ方が正解ではなく、違う考え方や感じ方をする人がいること、相手の目線でコミュニケーションをすることを全社員が意識すると、職場の雰囲気が変わってきます。
また、相性の良くない人もいる中で、職場に気軽に話をすることができる人や、相談できる人がいることが、大きな対策になってきます。


6)6/6(木)13:30~15:30 「従業員様向け エニアグラム×パワハラ対策」無料オンラインセミナーのご案内

「パワハラ上司にどう対応する? エニアグラム×パワハラ対策」を、日本エニアグラム学会 認定ファシリテーターの大島直彰氏と当事務所代表の村井真子が行います。
「これってパワハラ?の疑問をスッキリ解決!
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ぜひご参加ください。









この記事を書いた人

太田裕子Yuko Ohta

社会保険労務士。助成金を活用しながら、女性活躍支援・生産性向上等の働き方改革のサポートが強み。安心安全な環境づくりで働く人の最高のパフォーマンスを引き出し、組織の業績を上げていく状態に導きます。

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